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赤い肉(Red Meat)は控えめに食べる方が良いのか?


日本語には正確な翻訳が存在しないアメリカ英語に「Red Meat」というのがあります。

直訳すれば「赤い肉」なのですが、肉は赤いもんだろ?って思っちゃいますよね。

でも、「Red Meat」(以下はレッド・ミートと書きます)というのは基本的には牛肉と羊肉を指します。

豚肉はレッド・ミートに入らない場合が多いし(境界型ですが)、鶏や七面鳥の肉に至ってはホワイト・ミートと呼ばれます(鴨肉はレッド・ミートに入るようです)。


アメリカではまた、レッド・ミートには「メイン」とか「話の本質」とかいう意味も持たされています。

たとえば、「彼の話にはレッド・ミートがなかったよ。」と言えば、何が言いたいかわからない、もしくは、聴いた人にとってメリットがなかったことを指します。

そのぐらい、レッド・ミートとは食の中心になる食材、メインディッシュに必ず載せられる食材という意味になります。

(これまでの日本人の感覚から行けば「白いご飯」に近いのかもしれませんね。)


それほどポピュラーな食材でありながら、健康の敵となる食材であるとしてやり玉に挙げられる機会が最近増えています。

(これも日本での白いご飯の置かれている現状と似てますね(笑)。)


ベジタリアンの皆さんからはもともと目の敵にされていたレッド・ミートですが、実は食べ過ぎると健康によろしくないというデータがいろんな病気に関して出てきています。

中でも驚きなのは、レッド・ミートを食べることが2型糖尿病の発症因子になる可能性があるという報告がいくつかあることです。

複数の研究データを総合的に統計解析するメタ解析が最近は流行ですが、それらの研究によると、Red Meat、あるいはProcessed Meat(加工肉)を摂取する人は、鶏肉や加工していない肉を摂取する人に比べると糖尿病を発症しやすいというのです。

Red meat consumption and risk of type 2 diabetes: 3 cohorts of US adults and an updated meta-analysis
http://ajcn.nutrition.org/content/94/4/1088.long

Design: We followed 37,083 men in the Health Professionals Follow-Up Study (1986?2006), 79,570 women in the Nurses' Health Study I (1980?2008), and 87,504 women in the Nurses' Health Study II (1991?2005). Diet was assessed by validated food-frequency questionnaires, and data were updated every 4 y. Incident T2D was confirmed by a validated supplementary questionnaire.

Conclusion: Our results suggest that red meat consumption, particularly processed red meat, is associated with an increased risk of T2D.

(例によってハーバード大学の公衆衛生学教室からの論文ってところがいまいちですが)


また、動物性のタンパクをメインで摂取する人は、植物性のタンパクをメインで摂取する人に比べて心筋梗塞などの心血管系の病気を発症しやすいというデータもあります。

ただし、赤身肉や加工肉を一般人の平均摂取量程度摂る場合には、統計学的に有意な悪影響はほとんどない、という解析結果もいくつも出ています。


総合的に判断すると、「赤身肉の加工肉に偏った食べすぎはよくない可能性がある(あったとしても絶対的に高いリスクとは言えない)」というところでしょうか。

Unprocessed red and processed meats and risk of coronary artery disease and type 2 diabetes - an updated review of the evidence.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23001745

The overall findings suggest that neither unprocessed red nor processed meat consumption is beneficial for cardiometabolic health, and that clinical and public health guidance should especially prioritize reducing processed meat consumption.


わずかなリスクでも避けたいのであれば、地中海食のような魚介類と鶏肉と豆類からタンパク質を摂取する食生活の方が安心なのかもしれません。

(ただし、糖質制限が基本ですからね、読売新聞の久山町スタディ特集のように「糖質制限隠し」をした情報に惑わされないようにしてください)
http://xn--oqqx32i2ck.com/review/cat22/post_128.html

個人的なお勧めは鶏肉、魚、大豆、それにオリーブオイルを中心としたタンパク+油脂摂取(地中海食で勧められている内容に近い)です。

少なくともこれらのタンパク+油脂摂取に悪い効果があると言う人は少ないようですし。

(ダイエットの効果という意味では、短期間はレッド・ミート中心の食生活に軍配が上がる可能性もありますが)。




まあ、最終的には自分の身体で実験するのが一番です。

糖質制限は長期安全性が分からない、とか、安全性が保証されてないからまだまだですね、とか、どうのこうの言う人って、ひたすら

「やらない言い訳」を探しているだけだったりしますから(笑)。


「俺はやればできるんだぜ、でも、うざいからやらねーだけさ、だから俺の真価を認めろよ、ベイビー」

って言ってる若者と同じですな。


他人を見下す若者たち (講談社現代新書)

・・・というわけです。


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2012年12月16日 08:58

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コメント(20)

たしかに欧米と比べて日本の心筋梗塞の低さは魚介類が安く手に入ること、逆に言えば食肉が高すぎるというのはありそうですね。ただ安価な牛肉が輸入されるるようになった80年代後半から狂牛病ショックまで一貫して牛肉消費量は増えてるでしょうから、そのころ育ち盛りの人たちからだんだん変化があるでしょうね。最近の若い人たちの高身長、手足の長さなんかも関係あるのでしょう。
糖質中心の食生活こそ長期安全性はありませんよね、10年後か20年後失明したり、手足を切断する危険性は実証済みですが。単純にいって立証された事実と発病率の上昇が見られるかもしれないというこれからの研究課題を同列に扱っている時点で糖質制限懐疑派というのはバカでしょう。だいたい動脈硬化学会というある病気の専門家ごときが脂質を食べるなとか偉そうに言うのが変です。ラーメンがなかったら生きがいを失う、とか、白いお米中毒なの、といった人々は理解できますが。まあ世の中にはビール中毒なので仕方ない人もいるし・・・

アサヒのかのかハイボールはセブンで148円という値段からすると信じられない美味さですね。どうもアサヒグループは糖質ゼロ商品開発を本気でやるみたいです。スーパードライはビールとして認めない派ですが、こういう商品なら大歓迎です。

先生、質問させてください。
糖質制限をしていると、たまに足がつることがあるんです。朝方に軽く伸びをしたときなんかに、ふくらはぎがつるんです。
前回もそうだったので制限中の食事内容が関係しているのではないかと思っています。

私の場合は、豚肉が中心で、鳥、卵、チーズ、魚、納豆、おから、豆腐なんかを食べてます。
野菜もたくさん食べねば…とは思っているのですが、足りてないのかなあ…ビタミン・ミネラル不足とか…??

それと気になるのが制限が中途半端であることです。
子供が小さいので、子供ぐるみの幼稚園関係のおつきあいや、親戚とのイベント(今時期だとクリスマスや正月の集まりごと)、子供の食べ残しの後始末、日々のおやつへの誘惑…なかなかストイックには制限できないことが多く、中途半端にあれこれ食べてしまっているのがよくないのかなあとも思います。


先生、なぜ足がつるのでしょう?

過去、骨折した際にリハビリを故意に遅らされ、おかげで手首の稼動範囲が狭くなってまして・・・辛らつなことを書くかもしれませんが、医療、製薬関係各位のかたご容赦を。

今度の選挙でも同じ問題だと思うのですが、専門家あるいはメディア報道を善意の目でつい見てしまいがちなのですね。例えば動脈硬化学会が高いコレステロールは血管の梗塞が起き易くなるよとアドバイスすることは全然問題ないでしょう。原因は動物性脂質かもしれないよと付け加えるのもまあ構わない。問題はいきなり血液とって高コレステロールを放置するのはあかんから薬使って下げましょうと有無を言わさずやりだすことです。そりゃこんなことやってれば健康保険は破綻しますよね。糖尿病も同じです、血糖値が高いからお薬だしときます、勝手に食事変えるなよ変えたら死ぬよ、いやカルト教団じゃないんだからさ・・・

前記の骨折の際からああこの人たちは医者でもあり病院経営者でありふつーのサラリーマンと同じなんだな、と当然の事実に気づきました。期待しすぎちゃ可愛そうですが、ミスも無知も我慢できますが嘘だけは顧客たる患者につかないでほしいと思います。

ありがとうございます。
試してみます。
サプリを足してみようかな。

わたしも以前はよく足を攣りました。
糖質オフ生活を始めてからだいぶ攣らなくなりましたが、その後NHKの「ためしてガッテン」でつま先を伸ばして「伸び」をすると攣りやすいという放送を見てから、布団の中で「伸び」をしたくなったら、かかとを突き出してつま先は脛側に倒すようにしました。これで、ほとんど足を攣ることはなくなりました。

カルビンチョ先生様

こんばんは。9月ごろダイエットのことでコメントさせていただいたものです。先生のブログ楽しく拝見させていただき勉強させていただいています。

そして患者の目線に立った先生のお考えがいつも伝わってくるこのブログに感謝しております。ありがとうございます。

今日は一つ質問があります。

最近の爆弾低気圧のせいか、または更年期のためか、体重減少かよくわかりませんが冷えが酷くなっています。そして冷えが原因なのか便秘もあります。また9月のときも質問させていただいたのですが体重がそのときとほとんど変わらず63キロのままです。(身長157です)冷えで代謝が悪くなりなかなかダイエットできないのかなと勝手に思っています。

カルビンチョ先生、糖質制限と冷えは何か関係がありますか? なにか参考になるお考えがありましたらおしえていただければと思います。よろしくお願いします。


こんにちは。
はじめまして。3児の母で30代後半になったばかりの専業主婦です。
カルビンチョ先生にお伺いしたいことがあります。

ここ最近私も「糖質制限」というものを知り、只今スタンダードを実践しています。
「糖質制限」ホントに素晴らしいですよね!
私は、けして太ってもいないですし、糖尿病でもありません。
ですが、以前の私は太っていたこともあり、今までに色んなダイエットを経験し(リバウンドも・・笑)今に至ります。
産後もやはり体型戻しは気になるところ・・それまでは食べる量を減らす・肉類は控える等・・いわゆるヘルシーな食生活で、バター・マヨネーズ・揚げ物なんて・・な感じでした。
それがこの「糖質制限」!私にしたら神”的存在といっても過言じゃないぐらいです。

糖質制限を始めて2週間足らずで体重1.5㎏・体脂肪3%ぐらいポンと落ちました。
現在(今朝)150㎝・38.3㎏・15.1%です。
こんな私の場合プチでキープするほうが良いのでしょうか?

それまでの食べる量を減らす食生活で筋力がだいぶ落ちました。

私としては、筋力・代謝を上げリバウンドしらずの元気な体にしたいと思っております。
糖質制限のおかげで痩せてても下腹ポッコリ幼児体型だったのが一気にスッキリなくなりました。

長文になりましたこと心から御詫び申し上げます。
カルビンチョ先生のこちらのブログを楽しく感謝でいっぱいな思いで拝見し勉強させていただいております。
ありがとうございます。

カルビンチョ先生様

早速のご返答ありがとうございます。

基礎体温つけてみたいと思います。

ご指導、ご提案ありがございました。これからも先生のブログを参考にしながら健康増進に努めてまいりたいと思います。

最後にこの事お伝えしたいと思いました。

というのも以前どちらの記事か忘れましたが先生の研修医時代の教授先生のお言葉にいたく感激しました。患者さんを診るときは、自分の大切な人、家族、恋人と思いなさいという言葉です。(確か関西弁でしたね。)わたしも実は大学病院に救急で入り入院させていただいて今はこのように糖質制限に出会って、冷えるとかいろいろありますが命を永らえています。大学病院の若い先生たちがカルビンチョ先生の教授先生のような精神態度で治療にあたってくださったと思うと涙ぼろぼろでした。

これからも患者目線に立った先生のブログ楽しみにしています。
ありがとうございました。

カルピンチョ先生

言いにくいことをはっきりおっしゃっていただいてありがとうございました。
いまは少数でも糖質オフは実践したひとのクチコミで大きな流れになると信じています。

こんにちは。
カルピンチョ先生、お忙しい中、早々の親切丁寧な御返事をして下さいまして、心から嬉しく感謝の気持ちがいっぱいで溢れております。
ホントにありがとうございます。

まさか・・カルピンチョ先生に褒められるとは思っていなかったのでもうホントに嬉しくて!(笑)心ドキドキはずんでいます。ありがとうございます。

了解いたしました(笑)
体調の良い方で選択・・御返事にも書いて下さっていたスタンダードでいこうかとおもいます。
というのも「糖質制限」して体調がすこぶる良好で!
まず肌の調子がぐんとよくなりました。髪も張りが出てきたように感じます。サラサラです。以前はボーとして午前中はエンジンかからず体も重く感じていたのですが、今はスッキリ朝からテンポ良く動けるのには驚きです。

まだ始めたばかりの初心者ですのでカルピンチョ先生のこちらのブログで学びながら、楽しく実践していきたいと思います。
心の中の不安が解消されました。

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低糖質ダイエットに適した食材

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carpincho3

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